経営の合理化を目指す方(事業協同組合)
事業協同組合
事業協同組合って何?
中小企業者が互いに協力し、相互扶助の精神に基づいて共同で生産・加工・購買・販売等の事業を行い、経営の近代化・合理化、経営革新、経済的地位の改善向上を図るための組合で、組合は組合員の事業を支援・助成するための事業ならばほとんどすべての分野で実施できます。設立は4人以上集まればよく、気の合う同じニーズをもった事業者だけで比較的自由に設立でき、中小企業者に最も多く利用されている組合形態です。
従来は同業種の中小企業で設立するケースがほとんどでしたが、最近では、異なる業種の事業者が連携してこの事業協同組合を設立し、各々の組合員が蓄えた技術、経営のノウハウ等の経営資源を出し合って新技術・新製品開発、新事業分野・新市場開拓等をめざすものが増えており、その成果も多方面で見られております。事業協同組合が行う共同事業にはいろいろな種類がありますが、比較的多くの組合が行っているものは次のような事業です。
SOHOの仕事確保が目標
インターネットの普及とともに情報関連分野では、サラリーマンが独立して事業を立ち上げるケースが増えているが、安定的に仕事を確保していくことは至難の業。そこで、こうしたSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)事業者が個人では対応がむずかしい大きな規模の仕事や複数の技術が必要とされる案件を共同で受注するための組合を設立。小さな事業者が連携することで営業力、信用力を高めるとともに、お互いの経営資源を補完し合いながら、活発な事業を展開している。(大阪)
異業種が多様な介護福祉サービスを提供
ホームヘルパー派遣や食事の宅配等、多様な介護福祉サービスを提供しようと、病院、タクシー会社、仕出し、清掃会社、クリーニング業等15業種、25社で組合を設立。県内の5ヶ所に支援センターを設け、タクシーで病院への送迎、食事や介護用品の宅配、バリアフリー住宅への改築、シーツや衣類の洗濯等、地域の要介護者に対する総合的なサービス業務を開始した。(愛媛)
お互いの強みを活かした総合的経営支援サービス
中部5県の中小企業診断士、弁護士、税理士、公認会計士、技術士などの異種資格コンサルタントが企業経営に関する研究、支援を行うことを目的に設立された組合で「経営360度支援」を掲げ、各方面の専門家が集まることによって、中堅・中小企業に対し、経営戦略から人材育成、新製品開発、財務改善、情報化、販売方法まで全方位的な経営支援を目指している。(愛知)
共同事業とは?
・ 共同事業は、組合員の「資格事業」と関連がなければなりません。
・ 共同事業は、組合員が利用でき、かつ組合員の経営強化・合理化、経済的地位の向上に寄与しうるものでなければなりません。
・ 共同事業は組合員の経営規模に応じた実現性のあるものでなければなりません。
・ 共同事業は組合員によって継続的に利用されるものであり、採算性のあるものでなければなりません。
事業協同組合の原則
事業協同組合は、中小企業等協同組合法により、次のような原則が定められています。
・ 組合員の相互扶助を目的とする組織であること
・ 加入・脱退が自由であること
・ 組合員の議決権、選挙権が平等であること(1人1票)
・ 剰余金は、主として組合の事業の利用分量に応じて配当すること
・ 組合は、行う事業によって組合員に直接奉仕するものであり、特定の組合員の利益のみ目的としてはならないこと
・ 政治的に中立であること
設立の要件
協同組合の設立の要件は次のとおりです。
・ 4人以上の中小事業者が設立を発起し、組合員となること
・ 1組合員の出資額は、全出資額の1月4日以下であること
なお、協同組合の組合員は下記の要件を満たしている者に限ります。
業種 |
資本金及び従業者数 |
製造業その他 |
資本金3億円以下または従業者数300人以下 |
卸売業 |
資本金1億円以下または従業者数100人以下 |
小売業 |
資本金5千万円以下または従業者数50人以下 |
サービス業 |
資本金5千万円以下または従業者数100人以下 |
※中小企業金融公庫法等の中小企業関連立法では、政令によりゴム製品製造業は、資本金3億円以下または従業員900人以下、旅館業は、資本金5千万円以下または従業員200人以下、ソフトウエア業・情報処理サービス業は、資本金3億円以下または従業員300人以下を中小企業としています。