宮崎県中小企業団体中央会

組合事務マニュアル

総会・理事会の運営

総会

 総会は、組合員全員をもって構成し、適法に招集された組合員が、議決の方法により組合の意志を決定する最高の意思決定機関です。また、総会は、一定の法的要件(総会の招集の手続、議決の方法等)を具備し開催してはじめて成立し、会議の終了と同時に消滅するものであり、常置機関ではありません。

総会の種類

通常総会

 通常総会とは、代表理事によって毎事業年度1回必ず定期的に招集される総会であり、この総会で代表理事は、事業報告書及び決算関係書類(財産目録、貸借対照表、損益計算書及び剰余金処分案又は損失処理案)、監査報告書などを提出して、その承認を受けなければなりません。

臨時総会

 臨時総会は、通常総会以外に必要に応じて招集される総会であり、その内容は、決算関係書類の承認を行わない他は通常総会の場合と同様です。

総会の招集

招集時期
 通常総会の開催時期は、通常は定款で、毎事業年度終了後2ヵ月以内に開催することを定めています。これは、法人税法に事業年度の終了後2ヵ月以内に確定申告をしなければならないという規定があり、これに対応して定められたものですが、組合において定款変更の手続きを経て定款を変更すれば、事業年度終了の日から3ヵ月以内の通常総会も可能です。併せて、確定申告期限についても1ヵ月延長の特例を受けることが必要です。
 なお、臨時総会の開催時期は、任意であり、定款の定めにより必要に応じてその都度招集することができます。
招集手続
 総会は、理事会の議決を経て、代表理事が招集します。(臨時総会の招集には、例外的に組合員が招集する場合があります。)
 総会の招集は、会日の10日前(定款で10日を下回る期間を定めることも可。)までに定款に定められた方法により通知しなければなりません。

 『総会招集通知』には、(1)会議の目的たる事項(議案)、(2)開催の日時、(3)開催の場所を示すとともに、通常総会の場合は、併せて(4)監事の監査を受け、理事会の承認を得た決算関係書類(財産目録、貸借対照表、損益計算書、剰余金処分案又は損失処理案)、事業報告書、監査報告書等の資料すべてを添付しなければなりません。

 また、組合員に書面及び代理人による議決権の行使が認められている関係上、前記書類のほか、可能な限り議案の内容や関係書類も添付することが望ましいでしょう。

総会の成立と議決

定足数
 総会は、適法な手続を経た上で、出席した組合員が定足数を満たしてはじめて成立します。
 総会の定足数は、通常、定款において総組合員の2分の1以上の出席を定めています。
議決権及び選挙権
 組合員は、出資口数の多寡、事業規模の大小等に関係なく、議決権、選挙権は平等に1個与えられています(協業組合、商工組合連合会において例外あり)。
 総会の議決権及び選挙権は、書面又は代理人をもって行使することもできます。書面の場合は『書面議決書』を、代理人の場合は『代理権を証する書面(委任状)』を組合に提出しなければなりません。
 組合は、無制限に代理人による議決権を認めることはできませんが、代理議決については、特定の者を代理人に依頼することなく、白紙委任状を組合に送付することが慣行上多く行われています。
 白紙委任状は、理事長に対し代理人の選定を一任したものであり、総会までに白紙の箇所(代理権を行使する者の氏名)が補完されてはじめて委任状としての効力を発するものです。役員等によっては、自己に有利な代理人を選定し記入することもあるので、組合員は、委任状には委任する者の名を記入して代理権を行使するようにすべきでしょう。
 なお、代理人が代理できる人数は、定款において定められています。
議決事項等
 総会での議決事項の種類には、中協法で必ず総会の議決を要すると法で定められた「法定議決事項」と、定款で総会の議決を要すると定めた「任意議決事項」があります。
 また、議決の方法には出席者の議決権の過半数で決する「普通議決」と総組合員の半数以上が出席し、その3分の2以上の多数により決する「特別議決」があります。

総会終了後の処理事項

議事録の作成
 総会の議事については、『総会議事録』を作成しなければなりません。この議事録には、次の事項を記載しなければなりません。
 併せて、議長及び出席した理事全員が署名又は記名押印することが望ましいでしょう。
 
(1) 招集年月日
(2) 開催の日時及び場所
(3) 理事・監事の数及び出席理事・監事の数並びにその出席方法
(4) 組合員数及び出席者数並びにその出席方法
(5) 出席理事の氏名
(6) 出席監事の氏名
(7) 議長の氏名
(8) 議事録の作成に係る職務を行った理事の氏名
(9) 議事の経過の要領及びその結果(議案別の議決の結果、可決・否決の別及び賛否の議決権数)
(10) 監事が、総会において監事の選任、解任若しくは辞任について述べた意見、総会提出資料に法令、定款違反若しくは、著しく不当な事項があるとして総会に報告した調査の結果又は総会において述べた監事の報酬等についての意見の概要
(11) 監事が報告した会計に関する議案又は決算関係書類に関する調査の結果の内容の概要
 
※ (10)中の「総会提出資料に法令、定款違反若しくは著しく不当な事項があるとして総会に報告した調査の結果」は、監事に業務監査権限を与える組合における場合であり、(11)は、監事の職務を会計に関するものに限定する組合における場合です。
行政庁への決算関係書類等の提出(「行政庁への提出・届出書類の作成」参照)
 通常総会終了後2週間以内に、決算関係書類を、総会の議事録を添えて、当該組合の認可行政庁に提出しなければなりません。
 また、通常総会や臨時総会での全役員の改選や一部役員の補充、理事会において理事長や副理事長などの役付理事の選定が行われた場合は、変更のあった日から2週間以内に役員変更届書を提出しなければなりません。
 同様に、定款の変更を行った場合は、その認可申請書を提出しなければなりません。
税務署への確定申告書の提出

 申告期限は、事業年度終了後2ヶ月以内です。ただし、申告期限の1ヵ月延長の特例を受け、3ヵ月以内に申告することも可能です。

登記(「登記」参照)

 総会の議決事項に登記を必要とするものがあったときは、定められた期限内に登記を行う必要があります。なお、定款変更が必要な場合は、行政庁の認可を得てから行います。

 

理事会

 理事会は、理事によって構成される必要合議機関であり、定款の定めをもってしても、これを廃止することはできません。また、理事会は、一定の手続を経て開催することではじめて成立し、会議の終了と同時に消滅するものであり、常置機関ではありません。組合の理事は、組合活動の中心にあってその業務を推進していく任務を課せられています。理事は、組合との委任契約によって存在するため、理事の代理は認められません。

理事会の運営

招集手続
 理事会の開催は、理事長が必要と認めた場合に開催するのが一般的ですが、毎月開催する組合や、四半期に1回など定期的に開催している組合もあります。
 理事会の招集は、定款に定める期日(通常は1週間前)までに、『理事会招集通知』をもって通知します。
 また、理事全員の同意があるときは、この招集手続を経ないで理事会を開催することができます。
 なお、監事に業務監査権限を付与している組合の場合は、監事にも理事会への出席義務が課せられているため、監事にも理事会の招集通知を送付しなければなりません。監査権限限定組合の場合は、監事に理事会への出席義務は課されていませんが、出席することは可能です。
議長及び議決
 理事会の議長は、理事長があたるのが普通ですが、理事の互選により議長を選任することもできます。この議長は、総会の議長と異なり議決に参加できますが、可否同数の場合は議長に決定権はなく、否決となります。
 理事会は、理事の過半数が出席して成立し、その議決権の過半数をもって決します。
 理事は、代理人をもって議決に参加することはできませんが、定款に規定されている場合は書面により理事会の議決に加わることができます。

 なお、監事が理事会に出席しても監事に議決権はなく、当然に議決権数にも含まれません。

議事録
 『理事会議事録』は、理事の責任を明らかにする記録となるので、明確かつ克明に記載する必要があります。議決された内容のみを記載するのでは足りず、提案、討議の内容、議決の方法及びその結果を記載し、特に賛否の別は、氏名を記載しておくことが重要です。
 議事録の末尾には、出席した理事全員が署名又は記名押印しなければなりません。
 加えて、監事に業務監査権限を付与している組合は、監事に理事会への出席義務が課されていますので、出席理事の署名又は記名押印と併せて、"出席監事"として議事録に署名又は記名押印しなければなりません。
 一方、監査権限限定組合の場合は、監事に理事会への出席義務は課されていませんが、監事が理事会に出席した場合は、同様に署名又は記名押印しなければなりません。